はじめに
サウナといえば、心地よい熱気、汗をかき、体全体をリラックスさせることが一般的に想像されるでしょう。しかしこれはサウナ体験の一部にすぎません。その先には、“ととのう”という独特の現象が待っています。この記事では、この“ととのう”とは何か、どのようにして体験できるのかを詳しく解説します。
“ととのう”とは何か
“ととのう”は日本のサウナ文化特有の表現で、直訳すると”整う”や”調和する”といった意味になります。この表現は、サウナ後のクールダウン期に感じられる深いリラクゼーションや心地よい疲労感を指します。これは体が自然とバランスを取り戻し、身体だけでなく心もまた穏やかになる状態を指すと言われています。
※ととのう状態に関しては、その日の体調などでもかなり個人差もあるようです。
“ととのう”の体験方法
では、この“ととのう”という現象を体験するにはどうすれば良いのでしょうか。
そのキーとなるのが、サウナ→水風呂→外気浴を繰り返すことです。
まずサウナで汗をたっぷりとかき、その後冷たい水風呂に入る、その後しっかりと汗や水を拭き外気浴で落ち着く。この過程を何度か繰り返すことで、心地よい疲労感と共に“ととのう”状態を感じることができます。
しかし、重要なことは、”ととのう”は強制的に追求すべきものではなく、自然と体が求めるリラクゼーションの一部であるということです。無理にサウナや水風呂、外気浴を繰り返すのではなく、自分の体調や心地よさを感じながら進めることが大切です。
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サウナでの“ととのう”の効果
サウナで“ととのう”を体験すると、精神的なリラクゼーションだけでなく、身体的なメリットも得られます。具体的には、熱と冷たさの交互浴は血流を促進し、新陳代謝を活性化します。また、汗を大量にかくことでデトックス効果も期待できると言われています。これらの体の効果が合わさることで、心地よい疲労感とともに全身が調和する感覚、それが“ととのう”なのです。
さらに、”ととのう”の効果は心身のリラクゼーションにとどまりません。*科学的な研究によれば、サウナの使用は心血管疾患のリスクを低減し、神経系の健康を向上させる可能性があると報告されています。これは交互浴による血流の改善や、深いリラクゼーションによるストレス緩和が影響していると考えられます。
*”Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events”(2015): このフィンランドの研究では、週に4-7回サウナに入る人々は、週に1回しかサウナに入らない人々に比べて、心血管疾患による死亡リスクが約50%低いことが明らかになりました。
参照: Laukkanen, T., Khan, H., Zaccardi, F., & Laukkanen, J. A. (2015). Association between sauna bathing and fatal cardiovascular and all-cause mortality events. JAMA Internal Medicine, 175(4), 542–548. https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2130724
まとめ
“ととのう”は、日本のサウナ文化を象徴する現象であり、サウナと水風呂の交互浴によって体験することができます。これはただのリラクゼーションではなく、心と体が調和し、一体化する経験を指します。そしてその経験は、心血管疾患の予防やストレス緩和など、さまざまな健康効果をもたらす可能性があります。
それぞれの人が“ととのう”を追求する方法は異なります。必要なのは、自分自身と向き合い、自分自身を理解する時間と空間です。だからこそ、サウナは“ととのう”を追求するための最適な場所なのです。サウナの世界に身を投じて、自分だけの“ととのう”を見つけてみてください。
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